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Envikits 利用ガイド & 技術仕様
1. Psychro Canvas(空気線図)の使い方
Psychro Canvasは、ブラウザ上で動作する高機能な空気線図作成ツールです。空調設備の設計計算、混合空気の状態確認、設計図書用の作図を支援します。
基本操作:状態点のプロット
画面右側の「Points」エリアで操作を行います。
- [+ Add] ボタンをクリックし、新しい状態点を追加します。
- 入力モード(DB+RH, DB+DP, DB+h)を選択し、温度や湿度を入力します。
- 即座に絶対湿度、エンタルピー、比容積などが計算され、グラフ上にプロットされます。
応用機能:混合計算 (Mixing Tool)
外気(OA)と還気(RA)の混合など、2つの空気状態が混ざり合った結果を計算します。
- Mixing Tool パネルで、混合したい2つのポイントを選択します。
- 風量比 (VOL Ratio) を入力し、[Calc]ボタンを押すと、混合点が自動的にプロットされます。
- ※単純な平均ではなく、比容積(空気の密度変化)を考慮した質量流量ベースの厳密な計算を行っています。
保存と出力
- Save/Load JSON: 作業データをパソコンに保存し、後で再開できます。
- Download PDF: 作成した線図を高解像度のPDFとして出力します。
- Excel Copy: 計算結果一覧をExcel貼り付け形式でコピーします。
2. Duct System Helper(ダクト計算)の使い方
空調ダクトおよび制気口のサイズ選定を支援するツールです。
ダクトサイズの自動選定
風量と基準値を入力するだけで、最適な候補をリストアップします。
- Selection Conditions に「風量(CMH)」と「基準静圧(Pa/m)」を入力します。
- 詳細設定で「ダクト材質(GI, PVC等)」や「温度・標高」を変更することで、より現実に即した選定が可能です。
- Candidate List に表示された候補(丸ダクト・角ダクト)をクリックすると、詳細なスペックが表示されます。
履歴機能 (Record)
検討したダクトサイズは「Record」ボタンで一時保存リストに追加できます。リストの内容はCSV形式(タブ区切り)でコピーでき、計算書作成に役立ちます。
3. Pipe System Helper(配管計算)の使い方
空調および衛生設備の圧力配管(ポンプ送水系)におけるサイズ選定と圧力損失計算を行うツールです。
主な機能
- サイズ選定: 流量と「基準流速」または「基準摩擦損失」を入力することで、最適な呼び径を自動選定します。
- 圧力損失計算: 選択した管種、サイズ、流量に基づき、直管1mあたりの圧力損失(Pa/m, mAq/m)を算出します。
対応している管種
以下の主要な管種に対応しており、それぞれの内径および絶対粗度を考慮して計算します。
- 配管用炭素鋼鋼管 (SGP)
- 一般配管用ステンレス鋼鋼管 (Su)
- 硬質ポリ塩化ビニル管 (VP / VU)
- 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管 (VA / VB)
4. Material Spec Viewer(規格検索)の使い方
JIS規格に基づいた配管・フランジ等の寸法データを素早く検索・確認できるデジタルハンドブックです。
使い方
- Category タブで、検索したい部材の種類(Pipe: 配管, Flange: フランジ)を選択します。
- Nominal Size ドロップダウンから、呼び径(A呼称またはB呼称)を選択します。
- 選択した呼び径に対応する各部の寸法(外径、厚さ、ボルト穴径など)と、単位重量が表示されます。
ビジュアライザ機能
寸法値だけでなく、簡易的な断面図を表示します。どの記号がどの寸法に対応しているかを直感的に把握できます。
5. 技術仕様と計算ロジック
Envikitsは、プロフェッショナルな実務利用を想定し、以下の技術的根拠に基づいて計算を行っています。
空気物性と基礎式 (Psychro Canvas)
- 飽和水蒸気圧: 実用性と精度のバランスに優れた Tetens(テテンス)の式 を採用しています。
- 空気密度補正: 温度および建設地の標高(海抜m)に基づき、理想気体の状態方程式 を用いて空気密度を自動補正します。
管摩擦抵抗の計算 (Duct & Pipe)
- 基本式: 流体力学で標準的な Darcy-Weisbach(ダルシー・ワイスバッハ)式 を採用しています。
- 摩擦係数: Colebrook-White(コールブルック・ホワイト)式 を採用し、反復計算により厳密解を求めています。ムーディ線図の読み取り誤差を排除し、高い精度を実現しています。
- 流体の物性:
- ダクト:空気の温度と標高による動粘性係数の変化を考慮。
- 配管:水温(0〜100℃)による密度および動粘性係数の変化を自動計算に反映。