設備図面を見ていると、「100A」や「4B」といった表記が頻出します。これらは配管のサイズ(呼び径)を表していますが、実際に定規で測っても100mmや4インチ(約101.6mm)ぴったりにはなりません。
この記事では、若手エンジニアが現場で混乱しやすい、配管の「呼び径」と「実外径」の関係、そして厚みを表す「スケジュール(Sch)」について解説します。
1. 「呼び径」とは何か?
配管のサイズを表す方法には、大きく分けて2種類あります。
- A呼称(ミリ系): 15A, 20A, 25A... と表記。日本(JIS)で一般的。
- B呼称(インチ系): 1/2B, 3/4B, 1B... と表記。ANSI規格由来。
例えば「100A」と「4B」は同じ配管を指します。しかし、重要なのは「100Aの配管の外径は100mmではない」ということです。
JIS規格(SGPなど)における100A配管の外径は、実際には114.3mmです。これは、かつて「内径」を基準におおよそのインチサイズを決めていた名残と言われています。現代の規格では、「呼び径」はあくまで識別のための名前であり、実寸法とはズレがあることを覚えておく必要があります。
2. 「外径一定」の原則とスケジュール(Sch)
配管には様々な圧力(水圧)がかかります。高圧の流体を流す場合、配管の肉厚を厚くしなければなりません。
ここで重要なのが「外径一定(OD base)の原則」です。
もし、肉厚を増やすために外径を太くしてしまうと、継手(エルボやチーズ)やフランジのサイズが合わなくなり、施工現場が大混乱します。そのため、配管規格では「外径は固定し、肉厚を内側へ増やしていく」というルールになっています。
スケジュール番号(Sch)
この肉厚のランクを表すのが、Sch40, Sch80といった「スケジュール番号」です。数字が大きいほど肉厚になり、耐圧性能が上がりますが、その分だけ内径が狭くなる点に注意が必要です。内径が変われば、同じ流量でも流速や圧力損失が変わってきます。
3. 要注意!SGPとVPの「外径違い」
設備設計で最も注意が必要なのが、鋼管(SGP)と塩ビ管(VP)の接続です。
実は、同じ呼び径であっても、鋼管系と塩ビ管系では外径が異なる場合があります。特に小口径においてその差は顕著です。
- 20A 鋼管 (SGP): 外径 27.2mm
- 20A 塩ビ管 (VP): 外径 26.0mm
現場でのトラブル防止
このように外径が微妙に違うため、SGP用の継手にVP管を挿入しようとしても、ガタついたり入らなかったりします。異種管を接続する場合は、必ず「ネジ変換アダプタ」や「フランジ接続」を用いる必要があり、直接の接着や溶接はできません。
まとめ
Envikitsの「Material Spec Viewer」では、これらのJIS規格データを網羅しています。「100Aの配管重量はいくらだっけ?」「Sch40の内径は?」といった疑問が湧いたとき、分厚いハンドブックを開かなくても、スマホやPCから瞬時に正確な数値を検索できます。
正しい規格知識を持つことは、手戻りのないスムーズな現場管理への第一歩です。